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六味丸で尿の潜血が消失

61才の女性の方がうれしい報告をしてくれました。

20年前から乾癬という皮膚病があって、当院には今年の6月から通院しています。
四肢の伸側と足底に皮疹があります。

話を聞くと、夜間に足の裏がほてるとのことでした。
夏は夜にアイスノンで冷やすほどでした。

寝汗はなく、他には陰虚を示す症状はありませんでしたが、
年齢的にはその可能性は十分に考えられます。
舌を見ると、苔は普通でしたが、舌の色がやや暗紅色で、
陰虚の舌としてはあり得ます。

他に目立つ症状もなかったので、
体を潤すことでほてりをとる六味丸を飲んでもらうことにしました。
内服をつづけてもらったところ、最近ほてりはあまり気にならないくらいまで
改善し、皮疹の赤みも軽減してきています。

それだけではありません。
ここ2年くらい健康診断で尿潜血(++)が続いていたのが、
なんと今年は尿潜血がなくなっていたそうです!!
六味丸、いい薬です。
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「水泳のタイムが良くなりました。」

12才の水泳を頑張っている男の子が、年明けからニキビがよくならないので来院しました。
診察すると、確かに顔のニキビが少し目立っていました。

熱がりで、熱がニキビに関係しているのは明らかでした。

がっしり体型で、全身の汗かきで、冷たいものをたくさん飲むところや口内炎がよくできるところは、実熱(体に余分な熱がたまっている)を示唆する所見です。

その一方で、熱がりで寝汗をかいて、夢が多くて、よく手足がつるとのことでした。
舌を見ると、舌の色はやや暗い赤色でした。
これらの症状は陰虚(体にうるおいが足りなくなってオーバーヒートになっている)時に出現します。

全体的に陰虚の影響が大きいと考えて、体を潤すことで熱をさます、滋陰降火湯を2週間処方しました。

今日来院して言った最初の一言が
  「水泳のタイムが良くなりました。」
明らかに水泳のタイムが伸びたと言うのです。

意味がよく分からないのでよく話を聞くと、漢方を飲むようになってから
・朝がすっきり起きられるようになった。
・寝汗が3割くらいに減った。
・夢をあまり見なくなった。
・手足がつらなくなった。
そうです。

どうやら体調が良くなったのでその結果として水泳のタイムが伸びたということでした。

漢方治療が本来目指すのが、今回のような
全身が整った結果、いろいろな症状がよくなるという治り方です。
ニキビも改善傾向でした。

朝起きられず、日中もねむい

朝起きられず、日中もねむくて困っている男性が来院しました。
89歳とご高齢ですが、少し耳が遠いくらいで、生活は自立しています。
身長160cm, 体重45kgと痩せています。

気力がなくて日中ぼやっとしているそうです。
日中眠くて仕方がないのは体に余分な水がたまっている(湿)か、
全身を温める機能が低下している(陽虚)の時に見られる症状です。

さらに話を聞くと、
冷えがあって腰とひざが痛い(腎陽虚)
食欲がない(胃腸の機能低下すなわち脾気虚)、
とのことでした。

むくみもなく、余分な水(湿)の存在を示す所見はないので、
今回の眠気の原因は温める機能の低下(陽虚)によるものと思われます。

陽虚に対して使う方剤には
八味地黄丸、牛車腎気丸などの方剤がありますが、
これらの方剤に含まれる地黄が胃にさわりそうです。
むくみがないので真武湯もしっくりきません。
そこで、脾気虚を改善し、腎陽虚の改善も期待できる大防風湯を飲んでもらうことにしました。

1週間飲んでもらったところ、
「朝起きてさっさと仕事ができるようになった。」
「日中の居眠りも少なくなった。」
「腰痛で今まで温めたり湿布したりしていたが、何もしなくても良くなった。」
そうです。
食欲はまだ今ひとつとのことでしたが、内服して特に問題はなく、少し続けてもらうことにしました。
大防風湯、恐るべし。

手のひび割れと湿疹が六味丸で改善

アトピー性皮膚炎の7才の男の子です。
以前から顔や体も乾燥気味ですが、
特に手の甲がガサガサして赤くなって困っていました。
なかなか症状のコントロールが難しく、
手にはストロングクラスのステロイドを使わざるを得ない状況が続いていました。

身長120cm , 体重30kg で、どちかというと色白のぽっちゃり型です。
熱がりで汗かきで、夏は冷たい水をたくさん飲みます。
夏の暑いうちは、熱を冷ます白虎加人参湯と、
ストレス対策の抑肝散で何とか落ち着いておりました。

冬になると皮膚の乾燥が悪化して、
指の腹にもひび割れができて痛くて困るようになりました。
話を聞くと、夜には必ず布団を蹴っ飛ばして寝ている事が判明しました。
寒くても足は布団の外に出して寝るそうです。
夜に足の裏が熱く火照るのは、
「陰」(体を潤す成分)が虚している(足りない)時、
すなわち陰虚の時に見られる症状の1つです。
舌を見ると、色はやや暗い赤色で、苔は少なめでした。
舌の所見は陰虚として矛盾しません。

そこで、陰虚に対して六味丸を追加したところ、
内服して1週間で指の腹が割れなくなって、手の甲の赤みも良くなったそうです。
塗り薬もそれまで使っていたステロイドは使わず、
なんと保湿剤を塗るだけで大丈夫になりました。

よかったよかった。

3年前からの腰臀部と両下肢の痛み

79歳の男性が、3年前から身体が痛いとのことで来院されました。
身長は168cm, 体重は79kgと大柄で、糖尿病があります。
痛み止めの薬を塗らないと痛くなるそうで、
痛みは肩と上肢にもありますが、
特に腰臀部と両下肢(大腿後面、下腿外側と足首の前面)がひどく、
痛みは特に朝がつらいそうです。
天気が悪いと悪化するそうです(湿があります)。
寒がりで夜はトイレに2回起きます(冷えもあります)。

大防風湯を2週間飲んでみてもらったところ、
痛みが7割くらいまで減少し、
朝起きた時に足腰に力が入らず、前につんのめるのがなくなったといって喜んでくれました。
内服して特に悪影響はないようでしたので内服を続けてもらうことにしました。

大防風湯は、気と血を共に補う八珍湯(気を補う四君子湯と血を補う四物湯の合剤)をベースにして、黄耆・杜仲・牛膝・附子・乾姜・防風・羌活が加わった構成で、
15の生薬からなります。
黄耆は四君子湯の補気を助けて浮腫をとり、
杜仲・牛膝は腎を補うことで、杜仲は腰痛を、牛膝は膝痛みを主に改善し、
附子と乾姜は強く温めることで冷えによる痺れや痛みを改善し、
防風と羌活は筋肉と関節に停滞している風や湿をとります。
この見事なコンビネーションに感動しませんか?

矢数道明氏は、大防風湯が合っている人の使用目標として、
慢性に経過して、体力衰え、貧血性となり、熱状なく、下肢の運動障害を起こし、栄養も傷害されて削痩し、歩行困難または歩行不能となり、あるいは関節硬直を起こして年月を経た者に用いる。
と述べています。

今回のケースでは、「栄養も傷害されて削痩し」という部分以外はほぼ典型的な状態でした。

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